2018年11月27日火曜日

第5回竹サロン記録

第5回竹サロンを実施したのでその様子を報告します。

開催日時:2018年11月22日(木)17:00‐20:00
開催場所:京都大学 農学部総合館 S174教室

参加者:笹原(学舎・景観D1)、小林(慧)(農・地環・生態D1)、青塚(農・森林・環デM1)、孫(農・森林・環デD3)、正田(農・森林・環デD3)、中村(農・森林・熱帯林D2)、久米(九州大・福岡演習林)、小関(藪の傍)、柴田(京大・学舎)、山内(兵庫県大・緑環境M2) 計11名



話題提供

「淡路島における機械化による竹林管理の可能性」山内里佳(兵庫県大 緑環境景マネジメント研究科M2)

淡路島における放置竹林管理の1つとして機械化による竹林管理の省力化を目的とした「バンブーカッター」の紹介をして頂きました。バンブーカッター一台で竹を根元から伐り出し、適当な長さに分断すること等が可能です。また、根茎から処理が可能であるためにその後の新稈の回復率が低いという特徴があると考えられています。コストがかかることや、適切な伐倒時期の判別などの課題は挙げられますが、効率的な竹林管理のために意義のある挑戦であると期待をしています。

2「モウソウチク林の生産性は本当に大きいのか?台湾中部における5年間の計測に基づく検討」
久米朋宣(九州大)

台湾に生育するモウソウチクの生産量を調査したプロジェクトを紹介して頂きました。地上部現存量と地下部の現存量をそれぞれ4年間計測したデータを他の地域・樹木データと比較をしたところ、特に地上部現存量がCarbon sinkとして有用であると考察されていました。調査されていたモウソウチク林はプロジェクト開始の前年までは管理竹林であり、プロジェクト開始後から管理放棄をされるようになったとのことでした。今後、人による影響が資源生産にどの程度関与しているのかを考察するためにも、台湾の管理竹林の資源量と今回の調査で得られた資源量の比較などがあれば見てみたいと思いました。



「竹よもやま話」柴田昌三(京大)
前の2人の話を受けて、関連する近年の研究報告を既修了生の修論から紹介をして頂きました。モウソウチクの光合成に関する報告では、冬の間の少ない日照時間が光合成速度を律するという発見が発表されました。また、竹林管理の集材に関する報告では、これまでの研究からは機械化人間化の二択ではなく状況によって使い分けるべきであることが強調されました。また機会があれば柴田先生の研究の話も伺いたいと思いました。






報告

1「モウソウチク林調査近況」小林慧人(京大 森林生態D1)
今年行ってきた地下茎の観察報告を発表して頂きました。11月までに今年発生して長いものでは3mを超える成長を記録することが出来たとのことでした。また、地下茎の先端の伸長要因として、異なるシートを被せた観察から根冠が水環境を読み取っているとの可能性の考察に対して議論もなされました。今後も継続的な調査を期待しています。





2「新しい竹材利用をみて」笹原千佳(京大 景観生態D1)
11月14日(水)~15日(木)に熊本で開催された全国竹の大会の報告をさせて頂きました。大会中に開催された竹材分科会では30代までの若い起業家らがデザインを活用して町おこしをしたり、竹で制作した芸術で新たな価値を創出している様子などを伺うことが出来ました。放置竹林問題が課題となり竹材の利用が重要だと謳われている中で、実際の竹材の価値と需要はどのようなものなのか今後も追っていく必要があると思います。



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20時半からは京大農学部付近にある中華料理屋龍門で懇親会も実施しました。
普段は異なる竹研究・環境に所属をしている仲間と交流を持つことが出来、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

(文責:笹原)

2018年11月20日火曜日

第6回竹研究会のお知らせ

第6 回竹研究会/竹サロンを実施いたします。
どうぞお気軽に御参加ください!


実施日時:2018 年12 月6 日(水)18 時~20 時
開催場所:東京大学弥生キャンパス 農学部1 号館2 階 林学会議室

話題提供
「東日本におけるモウソウチクとマダケの高緯度・高標高域への分布拡大の検出と
1.5-4.0℃地球温暖化環境下での潜在生育適域の予測」
高野(竹中)宏平(長野県環境保全研究所)

「タケ類の生活史における開花関連遺伝子の発現解析」
久本洋子(東大千葉演習林)

「島根県げんこつ山におけるモウソウチク伐採後の植物種組成の推移」
鈴木重雄(駒沢大)


報告
「長野県における竹林立地の考察」 相原隆貴(筑波大 山岳科学 M2)

「タケ類の開花in 2018」 小林慧人(京大 森林生態D1)

「モウソウチク実生苗の成長」 金道知聖(東大 森林科学M2)

※話題提供の発表は質疑応答込みで30 分を目安とます。
PPT もしくはレジュメを用いて発表をしてください。配布資料が必要な場合は各自準備す
るようにお願いします。報告は質疑応答込みで15 分程度でお願いします。

20:15~ 竹懇親会
(場所は人数によって検討します。東大周辺)

質問は金道kindo@uf.a.u-tokyo.ac.jp か小林keito.kobayashi3@gmail.com
まで。連絡なしでの当日参加歓迎です。

2018年11月12日月曜日

第5回竹研究会お知らせ

第5回竹研究会を実施いたします。どうぞお気軽に御参加ください!

実施日時:2018年11月22日(木)17時~19時
開催場所:京都大学農学部 S174

話題提供


「淡路島における機械化による竹林管理の可能性」
山内里佳(兵庫県大 緑環境景マネジメント研究科M2)

「モウソウチク林の生産性は本当に大きいのか?台湾中部における5年間の計測に基づく検討」
久米朋宣(九州大)

「竹よもやま話」
柴田昌三(京大)

報告
「モウソウチク林調査状況」
小林慧人(京大 森林生態D1)

「竹炭工場見学レポート」
笹原千佳(京大 景観生態D1)

※話題提供の発表は質疑応答込みで30分を目安とます。
PPTもしくはレジュメを用いて発表をしてください。配布資料が必要な場合は各自準備するようにお願いします。報告は質疑応答込みで15分程度でお願いします。

19:15~ 竹懇親会(くれしま)


疑問・質問は笹原まで sasahara.chika.27s@st.kyoto-uc.ac.jp
連絡なしでの当日参加歓迎です。



2018年11月9日金曜日

第4回竹研究会記録

第4回竹研究会を実施したのでその様子を報告します。

開催日時:2018年10月31日(水)18:00‐20:00
開催場所:京都大学 農学部 S128教室

参加者:笹原(学舎・景観D1)、小林(慧)(農・地環・生態D1)、青塚(農・森林・環デM1)、孫(農・森林・環デD3)、峰尾(農・森林・森林人間D3)、藤井(大阪市立大・理学M2)、渡部(フィールド研PD)、正田(農・森林・環デD3)、宮木(農・森林M2)、福島(生態研・研究員) 計10名
ゲスト:内村悦三さん


話題提供・報告
「過去最大規模のモウソウチクの開花レポート」小林慧人(京大 森林生態D1)
高知県土佐市におけるモウソウチクの開花状況について報告して下さいました。今まで記録がある中では最大の開花数とのことで、驚きました。はっきりとした原因は分かっていませんが、立地条件や環境変化によるストレスで開花が促されるということで、実際はどのような原因で起こったのか、関心があります。



2「衛星画像を用いた竹林分布の抽出方法の検討」藤井健太 (大阪市立大 理学研究科M2)
衛星データを用いた竹林分布の抽出方法についてお話して下さいました。使用しているLandsatデータは、解像度が低く、現時点では竹林と他の森林の識別が困難ですが、時系列のデータがあるという特徴を、識別に生かそうと考えているとのことでした。完成を楽しみにしています。



3「種特性からみるモウソウチク林生態系の特殊性」福島慶太郎(京大 生態学研究センター研究員)
モウソウチク林生態系における調査を、「同一クローン」、「物質循環」という観点から発表して下さいました。モウソウチクは、気象条件によって形態を変えるなど、同一クローンであるにも関わらず環境適応能力が高いこと、木竹混交林ではリターフォールの季節性が変化するということが、興味深かったです。調査での苦労話には内村さんも共感されていました。




4「畳み込みニューラルネットによる植生の自動検出 -竹林での事例-」渡部俊太郎(京大 育成学PD)
深層学習とリモートセンシングを組み合わせることで、植生の自動検出を行うというお話をして下さいました。衛星画像の地域差が大きいので、地域ごとにモデルを最適化する必要があるとのことでした。植生図や森林簿の情報は正確ではないことも多いので、この方法が使えるようになれば画期的だという意見も出ました。


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内村さんと一緒に


20時半からは京大農学部付近にある居酒屋くれしまで懇親会も実施しました。
懇親会でも竹について語りあい交流を深めながら、研究会では時間により割愛した笹原の報告「竹のビジネスについて考えてみた」も簡易に行いました。
今後も竹研究・活動を盛り上げる場にしていきたいと思います。





(各発表所感:青塚、文責:笹原)


竹サロンのHPを作成しました。今後はHPより情報を発信致します

皆さま平素よりお世話になっております。竹サロン運営です。 この度、竹サロンはHPを構えることになりましたので、改めて報告致します。URLは以下になります。 https://take-bamboo.com/ 今後は竹サロンの実施情報や振り返りなどは、こちらのHPより発信致します。な...